国際的な人間になるのに、イングリッシュネームは必要か?

日本では近年、両親が純日本人にも関わらず、子供に外国の名前(イングリッシュネーム)を付ける人たちが増えているそうですね。『海外でも通用する名前を』や『国際的に活躍出来るように』といった願いを込めて名付けされると聞きます。そこで今回、名前について考えてみたいと思います。

アメリカに住む日本人は名前をどうしているか?

中国人や韓国人と違って、大多数の日本人は英語名を名乗らずに、日本名を通しています。特に、日本人をはじめとするアジア人が多い州では、日本名でも特に不住はなさそうです。理由は、アメリカ人がアジア人の名前を聞き慣れている場合が多いからです。日本人は、親にもらった名前に強くアイデンティティーを感じている人が多いようです。それに加えて、自分が英語名を名乗っている姿が想像できないともよく聞きます。要するに、ベタベタの日本人なのに、キャサリンとか名乗るのが、なんとなく恥ずかしい…というような意見が多数。

日本人が少ない州ではどうなのか?

日本人をほとんど見かけることのない州で暮らすアメリカ人は、日本人の名前に馴染みがないためか、名前を覚えたり発音するのに苦戦するようです。そこで、日本人名をちょっと変形させた英語のニックネームを使用する人が多いようです。例えば、タケシさんは、Takのように。他には、日本人名をアルファベットにして、その頭文字から始まる英語名を付ける人もいます。ノリツグさんであれば、Nから始まる英語名でNeilなど。また、長い名前を半分にしてニックネームにするパターンもあります。マサヒロさんだと、Masa。ヒロユキさんだと、Hiroといったように。キョウコさんなのに、どこから取って来たのか、Skylarみたいなのは少数派でしょう。

覚えにくい名前や発音しにくい名前はあるらしい

アメリカ人のTさんが言うには、やはり覚えやすい名前はあるそうです。3文字や4文字の名前より、2文字の名前は憶えやすく、しかも、発音もしやすいとか。日本人のMさんは、生まれた当時、割とよくあった2文字の名前の持ち主です。多いときでクラスに自分を含めて3名も同じ名前の人がいました。ありふれた名前が嫌で、親に抗議したこともあったのですが、留学して考えが変わりました。その名前がとても覚えられやすく、発音も簡単とアメリカ人によく言われるようになったのです。初めて親に感謝したそうです。

Hさんは生まれてくる男の子に、ツヨシという名前を付けようと思っていました。ところが、アメリカ人の旦那だけでなく、アメリカ人の友人や同僚が皆口を揃えて、「つ(tsu)から始まる名前は英語にはないから、発音が難しい」と指摘されました。同じ理由で、リュウスケさんは、りゅ(ryu)という発音がアメリカ人には難しく、リュウスケではなく、ルースケと呼ばれていたと言っていました。

中国人や韓国人はなぜ英語名を名乗るのか?

実際に訊いてみたところ、中国人のEは、「中国語の発音の中には、アメリカ人が絶対に発音出来ないものがあるから」と言っていました。一方、韓国人のJは、「アメリカ人に韓国人の名前が憶えにくいから、クリスチャンネームを名乗ることにした」と言っていました。台湾人のAも前出の中国人Eと同じ理由で英語名を使用していますが、その英語名をどうやって決めたのか尋ねると、高校の英語の授業で教師に、好きな英語の名前を選んでニックネームにしろと言われたとか。それ以来、彼は律儀にその名前を名乗っています。思ったより適当に名前を選んでいたと知って、拍子抜けでした。

日本人とハーフの名前はどうなのか?

周りの日本人とアメリカ人のハーフの知り合いや子供たちは、意外かも知れませんが、最近の日本人の赤ちゃんの名前より日本人らしい名前が多かったりします。例えば、ムサシ、コタロウ、イサム等。しかも、ミドル・ネームではなく、ファースト・ネームを日本名にしている赤ちゃんも珍しくなかったりします。理由を尋ねると、日本人の血が入っているというルーツを大切にしたかったから、という答えが返って来ました。他には、アメリカでも日本でも通用する名前を選ぶ親が多いようです。

国際人になるのに、国際的な名前は必要か?

アメリカに住んでいて気付いたことがあります。それは、アメリカ人は人の名前を覚えるのが上手い人が多いなということです。流石、移民大国アメリカ。本当に関心します。一度や一瞬だけしか会わないとか挨拶しないといった場合は除き、会社の外国人名を持ったの同僚や友達の名前を、本当によく覚えているのです(しかも、複数)。これは、アメリカ人の特技と言っても良いのではないかと思うぐらいです。以前、日本であるアルジェリア人の男性が言っていたことが印象的です。『本当に発音出来ない名前、覚えられない名前なんてないと思う。日本人は、英語名を名乗る必要はないよ』と。

結論を言うと、別にわざわざ英語の名前をつけなくても、海外で生活し、仕事で活躍することは出来ます。それに相手に名前を憶えてもらいたければ、名前が英語名かどうかではなく、中身が重要なのではないでしょうか?相手があなたを面白い人間と思って興味を持てば、必ず相手の記憶に残り、あなたの名前を覚えようとするはずです。私たち日本人にとっても、海外のスターやミュージシャンの名前がよく聞きなれないものだったとしても、好きであればすぐに名前を憶えますよね?極端に言えば、それと同じ原理です。記憶に残る人になるには、とにかく話すことが大切です。もちろん、ただ話すだけでなく、何を話すかが重要です。そして、相互理解を深めたり、相手の失礼にならないよう海外のマナーや文化を知ることも忘れてはいけません。真の国際人になれるよう、語学学習だけでなく国際感覚も付くように日々精進したいものですね!

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written by: Olivia

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