テキストを使用してみっちり英語を学習したのに、実際に英語を話してみると、うまく伝わらなかった、なんとなく違和感があったという経験はありませんか?テキストは文法を学ぶには適していますが、実社会で話されている会話が学べないことも多いのです。
今回は、基本の基本でありながら、非常に重要な挨拶である『How are you?』についてご紹介します。
How are you?の 後に続く返事は…
英語の教科書の5ページ目ぐらいまでには登場するであろうお馴染みのフレーズであるHow are you?。日本語で言うところの、「元気?」や「調子はどう?」に該当する挨拶であることは、みなさんもご存知の通り。さて、How are you?と訊かれたら、相手に何と返すか。著者が学生時代に使用したテキストには、A: How are you? B: I am fine, thank you. And you? と書かれていました。著者のアメリカでの生活もトータル13年近くになりますが、はっきり言ってこんなやりとりを訊いたことは皆無です。では、実生活ではアメリカ人たちはHow are you? と訊かれて、どう続けるのでしょう?
A: Hi! How are you?
B: Good. How are you?
いたってシンプルですが、上記のようなやりとりが職場やお店で頻繁に交わされています。また、同じような意味合いで下記の挨拶もよく耳にします。
A: Hi! How are you doing?
B: I’m doing good. How are you?
職場で休憩時に同僚と挨拶する場合は、How is everything going?(どう、うまくいってる?)と言うことも。もし相手が、It is going…とあなたに返せば、多忙だけど、どうにかこうにかやってます、と言う意味です。
How are you?の後に深刻な返事は避けたい
How are you?と尋ねられたら、 理想の回答は、Good. Very good. Great. Wonderfulなど当たり障りのない前向きなものにしておくのが無難です。なぜなら、How are you?はあくまでも挨拶で、相手はあなたの詳しい身の上話やその日にあった最悪の出来事を訊きたいわけではないからです。もちろん、家族や親しい友人には、So-so. Not very good. Horrible.と返して、その訳を聞いてもらうのもアリです。しかし、恐らく一期一会であろう人や、そこまで親しくない知人、同僚などには、例え最悪の気分であったとしても、Goodでとどめておきましょう。あなたの暗い身の上話を延々とされても相手は、「知らんがな!」と、戸惑ってしまうからです。ネガティブな返事で相手に余計な気を遣わせないように注意しましょう。
How are you? と尋ねられて、Good.と言ってはいけない場合
ただし、例外は医者に会うときと、自動車事故などで保険会社の人間と話すときです。具合が悪くて病院に行っているのに、医師にHow are you? と調子を尋ねられて、Great.と答えるようでは会話が噛み合いません。保険会社は特に注意が必要です。アメリカで自分が被害者で怪我を負った場合、加害者の保険会社の担当が電話を寄越してHow are you?と訊いてきても、間違ってもポジティブな回答をしてはいけません。 Good.と答えると不利になることがあるのだそう。調子がいいなら、怪我も酷くはないだろうという都合のよい解釈をされる可能性があるのが理由です。著者も2年前に自動車の追突事故に巻き込まれ、被害者になった経験があります。このことを事前に友人から教えてもらっていたので、相手の保険会社から電話があったさいは、How are you?の後には必ず、 Not very good at all…と答えるようにしていました。一見、揚げ足取りか屁理屈のように聞こえるでしょうが、そこは訴訟大国アメリカ。自衛のために、「おかげで最悪の気分だ!」という必要もあるというお話です。
おわりに
いかかでしたか?簡単に思えるHow are you?という挨拶に、自然な受け答えの方法やいろいろな暗黙の了解があることを分かって頂けたかと思います。今回は、一番身近で使用頻度が高いと思われるHow are you? についてご紹介しましたが、他にも様々な挨拶がありますので、状況や相手に応じてうまく使い分けてみましょう。生きた英語を身につけるには、やはり実際に外国人と話すに限ります。伊インターナショナルパーティーや国際交流イベントで、臆さずどんどん話すことを来年の抱負にしてはいかがでしょうか?
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written by: Olivia