国土だけでなく身体もデカい!アメリカの肥満事情

『肥満体国』という不名誉な称号を欲しいままにしているアメリカ。実に、3人に1人が肥満というから驚きです。実際アメリカに住んでみて見えてきた、アメリカの肥満事情をお伝えします。

ある友人のアメリカ旅行の思い出

数年前に、アメリカ旅行をした友人にアメリカの感想を訊いてみたところ、こんな答えが返ってきました。「飛行機で凄く太ったおばさんの近くになった。彼女の座席のシートベルトの長さが足りず、延長のシートベルトを依頼していた。おばさんはそれを大笑いしていた。しかも、シートベルト延長が必要な人が、もうひとりいた。アメリカって、肥満のスケールが違うね!」アメリカ旅行の最も印象に残った出来事が、観光でも食事でもなく、肥満のおばさんとは…。在米歴が長い日本人は、アメリカ人の肥満具合に慣れて(麻痺して?)います。しかし。日本からアメリカに遊びにきた人は、アメリカ人の肥え具合に驚愕するのも無理はありません。実際、日本では見かけないような規格外の太り方のアメリカ人は大勢います。

アメリカのスーパーマーケットあるある

先日、日本でもお馴染みになりつつあるアメリカの会員制スーパーのコストコに行きました。日本のショッピングカートの大きさと比較すると、アメリカのものは軽く2倍はあります。コストコのショッピングカートは、アメリカの平均的なカートよりさらに大きい作り。なんといっても、幼児を2人も乗せることができるのですから。コストコでのアメリカ人の買いっぷりは圧巻です。カート一杯に積まれた食品…それをノロノロ押して店内を回る大柄な客…そんなに買ってどうする?!と突っ込みたくもなりますが、ある意味、清々しくもあります。

電動カートで太り過ぎでも楽々買い物

アメリカのスーパーでよく見かけるのが、電動カート。本来、身体の不自由な人や老人のために用意されている電動カートですが、太った人が利用していることも珍しくありません。太りすぎで膝を痛め、自分の体重を支えられない人も少なくないので、肥満の人が電動カートを使用する大義名分はあるのですが。電動カートで店内を移動する非常に大柄の客が何を購入しているのか…下世話だとは思いつつ、チラリと覗いてみると…そこには、とてつもなくデカい肉の塊や砂糖やアイシングたっぷりのケーキ(しかも、ホール)が。やはり食生活と体系は直結していると思わずにはいられません。

太っていると昇進できないというけれど

『アメリカでは太った人間は自己管理ができていないと見なされるので、昇進できない』こんなセリフを聞いたことがありませんか?しかし、実際のところどうかというと、そんなことはありません。理由は簡単。人材を体形で選り好みしていたら、選択肢が少なくなってしまうからです。下手すると、誰も昇進できなかったり、雇えない可能性も出てきます。だから、少々太っていても、経験があればそれでカバーできるのです。著者が今まで務めた企業でも、太った管理職は普通にいました(しかも、複数)。もちろん、肥満が原因で業務に支障をきたすようでは問題外ですが。

アメリカ人は自分の身体に肯定的?

先日のスーパーボウルのハーフタイムショーでパワフルなパフォーマンスを披露したレディー・ガガ。お腹のお肉が少しだけ目立っていたことについて、彼女の体形を批判する声が一部で聞かれました。ところが、本人はこれについて次のようにコメントしたのです。”I’m proud of my body.” レディー・ガガが太っているかどうかは別として、アメリカではなんだかんだ言って自分の体形を肯定している女性が少なくないのでは?と思います。著者の前職場でも、ぽっちゃりを完全に通り越した体形の同僚が複数いました。しかし、みんな自分の欲望(食欲)には非常に素直。コーラでカロリー高めの食事を流し込み、甘いものには目がない彼女たち。食事制限やダイエットなどの言葉は、彼女たちの口から聞いたこともありません。ある同僚は、「私は自分の体形を受け入れている。食べたいものを我慢するつもりはない。」 と言い切っていました。開き直りかと思えるほどの、恐ろしいまでの自己肯定です。日本人だと同じような心の境地に辿り着くのは、なかなか難しいのではないでしょうか。

なにかと二極化し過ぎている

ぽっちゃり以上の体系が多いアメリカ人ですが、著者が暮らすカリフォルニア州では、みなさんが想像しているよりも健康志向の人がいます。彼らは毎日ジムに通い、ジャンクフードは避け、オーガニック食品を好みます。意識高い系の彼らは、ホール・フーズやトレーダー・ジョーズといったスーパーに通う傾向が。そして、案外健康に気を使っているのは、そこそこ収入が高めな人だと気付きます。日本に比べると手頃ですが、野菜や果物は安いものではありません。やはり所得が低い人にはなかなか手が出ず、代わりに安いファストフードで済ませることになるのです。こうして、高収入・健康志向の人は、ますます健康的な体形に。そして、低収入・健康に対する意識が低い人は、ますます不健康な体形になるのです。

まとめ

運動オタクや意識高い系、ベジタリアンなどがいる一方、ジャンクフード万歳・運動一切なし!な人もいるアメリカ。トランプ政権で国民がふたつに分かれているといわれていますが、食生活も二極化しています。ちょうど良い具合の、中間はいないのか?!と思わずにはいられません。ただ、アメリカ人の自己肯定感には見習う部分もあるのも事実。常に体形を気にし過ぎる日本人からすると、ちょっと羨ましいのも本音です。

関連記事:アメリカではタトゥーは普通って、それ本当?

written by: Olivia
photo by:
http://imgur.com/gallery/XGBfh

関連記事

  1. 風邪を引いて思い知った “アメリカとの食文化の壁”

  2. 【あなたは社交的? シャイ?】パーティーを楽しむ6つの方法

  3. アメリカが誇るスナック菓子:ポテトチップスにまつわるアレコレ

  4. 私に気があるの?ただの挨拶?【外国人男性の行動あれこれ】

  5. 国際恋愛・国際結婚を長続きさせる秘訣10選 (前編)

  6. 国際結婚を決意する前に知っておきたい8つのデメリット