【国際結婚】国際結婚で誤解されがちなこと:参政権編

数回に渡ってみなさんにご紹介してきた『国際結婚で誤解されがちなこと』は、今回でひとまずお終いです。今回のお題は、大切な参政権のお話です。

国際結婚して配偶者の国に住むと参政権がもらえる?

昨年11月、アメリカで大統領選挙の真っ只中に、著者は日本に一時帰国していました。滞在中、家族や親戚、そして、かなり多くの友人に次のように尋ねられました。「アメリカは今非常に大事な時期なのに、一時帰国していて大丈夫?大統領選挙に投票しなくてもいいの?」と。さて、アメリカの永住権保持者をはじめとする外国人には、参政権はあるのでしょうか?答えは、NOです。あくまでも合法的にアメリカに滞在できるだけであって、外国人には参政権はありません。一部の州の一部の市では外国人にも地方参政権に限って与えています。しかし、アメリカでは基本的には、国政参政権・地方参政権はアメリカ市民のみに認められた権利です。

外国人に参政権を認めている国の方が珍しい?

調べてみたところ、世界の大半の国では外国人に国政参政権は認めていないことが判明しました。そんな中、珍しくも国政参政権及び、地方参政権の両方を永住者に与えている国がありました。それは、ニュージーランドです。一方、ヨーロッパ諸国ではどうかというと、EUという共同体の概念からか、条件付きで地方参政権のみ外国人に与えている国が大多数。条件は国によって異なり、1)EU国民のみ、2)一定の在住年数を満たしていることなど。また、イギリスではアイルランド国民に国政参政権を認めています。アイスランドでは北欧諸国民のみに限って地方参政権を、そして、過去にポルトガルの植民地であったブラジルでは、ポルトガル国民の参政権を認めています。

地方参政権は侮れない

アメリカの大統領選挙の様子は、日本でもテレビで連日連夜放送されていました。大統領選挙の陰で密かに盛り上がりを見せるのは、プロポジション(proposition:提案)と呼ばれる新州法への投票です。例えば、カリフォルニア州では2016年度は、嗜好品としての大麻の使用、小売店からの無料レジ袋撤廃、変わったところでは、ポルノ映画産業における出演者のコンドーム着用の義務化などを巡って州民が投票を行いました。新法が可決されると、施行までが早いのがアメリカです。それを物語っているのは、小売店の無料レジ袋撤廃です。プロポジション可決に伴い、年明けには小売店では無料レジ袋の配布を完全に廃止しました。流石に大麻については何かと準備が必要なようで、2018年以降の施行となっています。プロポジションは自分の日常生活にも深く関わる内容ばかり。市民ではないので投票は出来ませんが、地方参政権と言えど決して侮れません。

参政権がないと陪審員制度からも免除のアメリカ

アメリカの『帰化市民あるある』として、時折話題になることがあります。それは、帰化した途端に陪審員として出頭するよう裁判所から公式文書を受け取ることです。まるで、誰かが帰化するのを待ち構えていたかのような絶妙なタイミング。アメリカではアメリカ市民のみが陪審員に選ばれます。アメリカ在住の外国人は毎回盛り上がる大統領選挙に参加出来ず、蚊帳の外的な疎外感を味わいます。しかし、何かと面倒なことが多くて嫌がられる陪審員からの免除という(得な?)一面があります。近年では、裁判の陪審員の確保に苦労する理由から、永住者も陪審員に!という意見も出てきています。しかし、実現されるかは眉唾ものです。

まとめ

日本でも外国人への参政権を認める是非が問われています。しかし、世界を見回してみると、慎重な姿勢を示している国が大半であることが分かりました。海外諸国にとっても、外国人に参政権を与えることは当然のことではなく、与えなければならない理由もないのです。内政干渉にもなりうることですから、当然なのでしょう。政治に参加したければ、やはりその国の国民になるのが大筋であることは間違いありません。国の政治に責任を持つのは国民です。参政権を認められていないことは、海外に暮らす外国人の宿命でしょう。なんだか物足りない気もしますが、ひとつ朗報が。たとえ海外在住者でも、『在外選挙制度』を使用して日本の国政選挙に参加が可能であることをお忘れなく。

written by: Olivia
photo by:http://www.lee.vote/tag/early-voting/

 

参考文献:諸外国における外国人参政権について
URL: http://www.geocities.jp/sanseiken_hantai/data-table.htm

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