昨年のある調査によると、日本の小中学生のなりたい職業1位は、男の子はセッカー選手、女の子はパティシエだったそうです。著者の住むアメリカでは、消防士に常に人気が集まっています。なぜ消防士が夢の職業なのかを検証てみましょう。
消防士はアメリカの子供の憧れの職業
アメリカの子供(特に男の子)の憧れの職業のひとつに、消防士が常に上位に上がるのをご存知でしょうか?昨年の調査では、堂々の6位。子供たちが消防士に憧れる理由は、なんといっても彼らが勇敢な『ヒーロー』だから。スパイダーマンやスーパーマンなどのアメコミのヒーローは、アメリカにいる男の子なら大抵夢中になるものです(日本でいうところの戦隊ヒーロー的な位置付けでしょうか?)
実世界にスパイダーマンはいませんが、消防士は地域に貢献し、正義感に溢れ、人々の尊敬を集める身近なヒーローです。911では勇敢にも人命救助を試みた多くの消防士が犠牲になったことは、みなさんの記憶に残っているはず。そんなこともあってか、消防士は子供たちの憧れの職業としての不動の地位を確立しています。
気さくなアメリカの消防士たち
お国柄なのか、アメリカの消防士たちには気さくな人が多い印象を受けます。もうすぐ2歳になる著者の息子は、数ヵ月前から町で消防車を見掛けると大興奮するようになりました(典型的な男の子あるある)。先日、買い物に出掛けた時のこと。スーパーの駐車場にランチを買い求めに消防士たちが消防車に乗って現れました(これも、アメリカあるある)。彼らは息子を見掛けると、車内から笑顔で手を振ってくれました。
またある日は、別のスーパーの駐車場ではしご車を発見。今度は、屋上を使って模擬訓練中でした。息子と訓練の様子を眺めていると、ひとりの若いイケメン消防士が息子に話し掛けて来てくれました(息子目的でしたが、母親として役得です)。彼は他のもうひとりの消防士と新人を訓練しているとのこと。これもお国柄なのか、このような場面で気さくに子供に声を掛けてくれるのが、アメリカっぽいですね(日本だと、不謹慎だと怒られそうです)。勇敢で正義感があるだけでなく、フレンドリーなところも消防士が子供たちに人気がある理由に違いありません。
消防士に夢中になるのは子供だけではない?
アメリカでは、消防士に夢中になるのは子供だけではありません。大人だってそうなのです。毎年発売されるイケメンで筋肉隆々の消防士カレンダーが、それを物語っています。イケメン・マッチョ消防士カレンダーは、オーストラリアやフランスでも発売されていますが、アメリカの凄いところは、州ごとにカレンダーを発売している点です。内容は、いかにもアメリカ人女子がキュンキュンしそうな写真ばかり。鍛えられた上半身(シックスパックは必須)を惜しみなく披露し、まぶしいばかりの笑顔が並びます。目の保養です。中には、救助犬と一緒に撮影されている写真も。『男前・マッチョ・動物』の組み合わせを、一体誰が拒むことが出来るでしょうか?いかにも的なマッチョを日本人女性はあまり好みませんが、アメリカ人女性にとって男性の筋肉はポイントがかなり高いのです。
出典:https://jp.pinterest.com/thePMCF/toronto-fire-fighter-calendar/
以前、スーパーのレジで順番待ちをしていたときのこと。ある女性がとびっきりの笑顔で、「あなたたちは私たちの町を守るヒーローだから、お先にどうぞ!」と消防士に順番を譲っていました。アメリカで女性にモテたかったら、消防士になれと巷で言われているのも、あながち間違っていないかも知れません。
おわりに
危険と隣り合わせの職業ではあるものの、アメリカでの消防士人気は衰え知らずです。体力だけでなく知力も必要とされるこの職業に就くには、州によっては狭き門を潜り抜ける必要もあると聞きます。著者も息子の一件で、人々からヒーローと称される消防士のファンになってしまいました。今年の息子のハロウィンのコスチュームは、消防士に決定です。ちなみに、日本では昨年の男の子のなりたい職業トップ10に消防士は入っていません。しかし、フランスやオーストラリア、カナダなどでも消防士は子供の憧れの職業だということです。
最後に、先程ご紹介した消防士カレンダーですが、興味のある方は是非ググってみてください。見て、まず損はないと自信を持って断言できます。任務中の精悍な姿とのギャップに萌えること間違いなしです(ツンデレ効果?)。カレンダーの売上金は、殉職した消防士の家族などに寄付されるそうです。流石、非の打ちどころがないと言うか、そんなところまで消防士は心憎いのでした。
written by Olivia
参考文献: Top 15 Kids’ Dream Jobs
https://www.thebalance.com/top-kids-dream-jobs-2062280
photo by: https://www.pexels.com/