アメリカでは父の日が終わると、今度は町中が【赤・白・青】の星条旗カラーに包まれます。これは、7月4日のアメリカ独立記念日を祝うためです。愛国心が強いアメリカ人は、この祝日をとても大切にしています。知ってるようで実は知らなかったアメリカの歴史と、独立記念日にまつわるアレコレをご紹介します。
アメリカ独立記念日とは、何の日?
7月4日の独立記念日(Independence Day)は、アメリカ人にとっては非常に重要な祝日です。『4th of July』の呼び名で親しまれている独立記念日の起源は、1776年まで遡ります。当時13の植民地は、イギリスの統治下でした。イギリスからの独立、そして自由を勝ち取るための激しい独立戦争が繰り広げられる中、アメリカ大陸会議がアメリカ独立宣言(The Declaration of Independence)を採択します。この日が7月4日だったのです。つまり、7月4日はイギリスから晴れて独立した日ではなく、『イギリスから独立する強い決意』を宣言した日。実際に13の植民地がイギリスから独立したのは、その7年後のことでした。独立宣言の一節にある『生命、自由、幸せの追求(Life, Liberty, and the pursuit of Happiness )』は、後々アメリカ人の権利・理想・理念・信念の基盤にもなり、彼らの思想に大きな影響を与えることになります。1977年に当時首都であったペンシルバニア州フィラデルフィアで記念すべき第一回目の祝典が行われて以来、全米では毎年7月4日に独立記念日が盛大に祝われています。
独立記念日には何をする?
独立記念日はアメリカの祝日ですので、学校・政府機関・銀行・多くの企業は休みになります。当日には、パレードや花火大会、コンサートなど様々なイベントが開催されます。一般家庭でもバーベキューをしたりピクニックへ出掛けたりして、各々が独立記念日を祝います。
食べた数=愛国心の強さ?恒例のホットドッグ早食い大会
実は、日本でもよくお馴染みのホットドッグの早食い大会も独立記念日に開催されるイベントのひとつ。この大会の歴史は意外と古く、1916年に4人の移民が『誰が一番愛国心があるか』を示すために、食べるホットドッグの数を競い合ったのが起源と言われています。ホットドッグのファストフードチェーン店を展開しているネイサンズが主催する早食い大会では、過去に数名の日本人優勝者を輩出しています。ちなみに、昨年の大会の女性部門での優勝者は日本人で、10分間で38個半のホットドッグを食べたというから驚きですね。
バーベキューは【出来る男】をアピールするチャンス
独立記念日の日中に多くの家庭で行われるのが、バーベキューです。アメリカ人は大のバーベキュー好き。一戸建てに住む家庭のバーベキューグリル所持率は高く、まるで大阪の家庭に一台たこ焼き器のようです。アパートの共同スペースにもバーベキューグリルが設置されている所は珍くはありません。アメリカのバーベキューは、日本のバーベキューとは少し異なります。グリルの上にバーベキューソースをたっぷり塗った肉の塊を焼くのです。牛肉だけではなく、豚肉や鶏肉を焼くことも。アメリカ人男性にとってバーベキューは、大切な『男の仕事』です。いかに上手に焼くか、どんなバーベキューソースを使うかなど、【出来る男】をアピールする絶好の機会。肉を美味しく頂けるかは、男性の腕に掛かっていると言っても過言ではありません。そのせいか、バーベキューグリルや道具、ソースに異様に拘る男性も。スーパーのバーベキューソース売り場の規模の大きさを見れば、その本気度がヒシヒシと伝わって来ます。
アメリカの打ち上げ花火は、情緒よりも派手さで勝負!
独立記念日の夜の楽しみと言えば、打ち上げ花火です。お正月同様、独立記念日には全米中で花火が打ち上げられます。日本の花火には情緒的な雰囲気も漂いますが、アメリカの花火はとにかく派手。主に港や公園などで約15分から1時間に渡って、沢山の数の花火がもの凄い勢いで打ち上げられます。日本では個人で楽しめる花火のセットが小売店で普通に販売されていますが、アメリカでは州や市町村によっては花火や爆竹の販売を制限・禁止しているところも。そんな理由もあって、アメリカでは独立記念日の花火を心待ちにしている人も多いのです。
おわりに
歴史が浅いといわれ続けるアメリカも、今年で建国から241年。日本と親密な関係にあるアメリカですが、歴史に関しては私たちが知らないことも沢山ありますね。アメリカの歴史を知ることが、アメリカやアメリカ人をよく理解する近道かも知れませんね。
Written by: Olivia