日本では小顔は自慢出来ることであり、他人から羨望の眼差しで見られがちです。ところが、この小顔信仰、世界共通ではないのをご存知でしょうか?今回は、欧米人が小顔と言われることについてどう感じているかをご紹介します。
いつから小顔は正義になった?
日本では、【小顔】であることがある種の誉め言葉になっています。一体いつから、『小顔=良いこと』になったんでしょうか?記憶を辿ってみると、元祖小顔芸能人にキョンキョンこと小泉今日子さんがあげられます。著者の友人が偶然町で見掛た彼女の顔がいかに小さかったかを興奮気味に語っていたのを覚えています。ただ、この頃は現在ほど、『小顔=良いこと』という認識ではありませんでした。90年代の中頃に歌手の安室奈美恵さんが活躍するようになり、一般的に『小顔=良いこと』という風潮になりました。
欧米人が小顔と言われたときの反応は?
日本では誰かに「顔(頭)が小さいですね」と伝えることに特に問題はありません。言われた人が気分を害した話も耳にしません。でも、欧米人(白人・黒人)には、いくら小顔であったとしても、面と向かってそのことを伝えない方が無難です。何故なら、欧米では小顔は決して誉め言葉ではないからです。それどころか、侮辱になる可能性もあるのです。つまり、『小顔=脳みそが小さい=頭が悪い』という風に解釈されているのです。こちらは誉めているつもりでも、相手は馬鹿にされているのか?と誤解することもあるのです。
小顔を英語で言うと、単なる悪口?
小さい頭が必ずしも良いものではないという認識は、ある英単語からも伺えます。英語で【pinhead(ピンヘッド)】と言えば、俗語で馬鹿や間抜け、頭の足りない人を意味しています。ここでいうピンヘッドは、文字通りピンの頭の部分です。壁に紙などを留めるためのピンや、裁縫に使用する待ち針を想像してみてください。ピンの頭の部分が小さい作りになっていますよね?ピンを人間の身体に見立てて、『頭が小さい人=馬鹿』という立派な悪口になっているのです。
欧米人が小顔なのは骨格が異なるから
そもそも、小顔に異様にこだわるのは、日本人をはじめとするアジア人によく見られる傾向のようです。何故なら、白人や黒人には小顔が圧倒的に多いから。小顔が珍しくもなんともないので、それをいちいち誰かに指摘するまでもありません。調べてみたところ、頭の形や大きさについては骨格・遺伝子レベルの話になるようです。まず、白人や黒人の頭蓋骨は横幅が狭く、後ろに伸びています。真上から頭を見た場合、楕円形です。一方、アジア人の頭蓋骨は白人や黒人のそれとは逆に横幅が広くなっています。真上から見ると、円形です。後頭部までの距離が短いため顔が大きく見えたり、いわゆる絶壁頭になることも。以前は、欧米では乳児を積極的にうつ伏せ寝にしていました。そのため、後頭部が張り出した頭蓋骨(これを長頭と呼びます)になると言われていました。しかし近年、アメリカでは乳幼児突然死症候群を防ぐためにうつ伏せ寝は奨励されていません。ですので、この説はちょっと信憑性に欠けるかも知れません。
番外編:頭にまつわるハーフの子供あるある?
多くの日本人ママにとって、子供でも小顔は重要な要素なようです。著者にはもうすぐ2歳になるハーフの息子がいるのですが、アメリカ、日本の両国で日本人ママから頭の形や大きさについてコメントをされることがしばしばあります。「やっぱりハーフは顔が小さいね」「後頭部が綺麗だね」と言われるたびに、日本人ママたちの頭の大きさや形に対する関心の高さに驚かされます。ある友人は絶壁気味だという息子の頭の形を大変気にしており、一時期矯正ヘルメットを着用させるべきか真剣に考えていました。
まとめ
今後、欧米人の容姿を誉める機会があれば、相手の気分を害さないためにも「顔が小さいですね」は封印しておくのが無難でしょう。そう言われて困惑したり、返答に困るといった意見もきかれます。いずれにせよ、顔の小ささには触れない方が良さそうです。誰かを褒めるときは、顔の小ささではなく、“You look great!”や“You look gorgeous!”のように相手の全体的な雰囲気についてコメントするのが賢明です。それで気を悪くする人はきっといませんから。
Written by: Olivia