ドラマ『昼顔』の大ヒット、定期的に日本の芸能界を賑わせている不倫や浮気のニュース。不倫や浮気ネタは、常に人々の関心を引いています。最近ではインターネット上でも不貞を働いた芸能人を、まるで親の仇かのようにバッシングする光景も。一説では日本の既婚男性の約半数が不倫・浮気経験者なのだとか。不貞は、何も日本人に限ったことではありません。そこで今回は、近年のアメリカでの既婚者の不倫・浮気事情についてご紹介します。
政治家の浮気は命取り。一方、セレブは?
アメリカでもセレブや著名人の不倫・浮気関係のスキャンダルはよく話題になります。しかし、日本と異なって、彼らが記者会見を開いて公開謝罪することは、かなり稀です。ただし、政治家となると話は別です。クリントン元大統領が当時インターンをしていた女性と不倫したことで、政治の手腕があったにも関わらず、評判を落としてしまったのはあまりにも有名な話です。また、2008年には大統領選に出馬を表明し、オバマ元大統領やヒラリー・クリントンのライバルとして民主党の指名争いを繰り広げたジョン・エドワーズ議員もその一人。甘いマスクと愛妻家で知られていたエドワーズ議員は、愛人スキャンダルや隠し子騒動で人気を失速させてしまいました。その後、長年連れ添った妻と離婚し、妻は癌で亡くなるという後味の悪い結末になっています。政治家にとって浮気が命取りであることは、日本もアメリカも変わらないようですね。
アメリカの一般人はどうなのか?
誘惑が多いうえに地位も名誉もお金もあるセレブ。でも、不倫や浮気はセレブだけの特権(?)ではありません。一般人でも不倫や浮気に走る人は珍しくはありません。今年になって発表されたある調査では、アメリカ人既婚者の不倫や浮気に関する驚きの結果が明らかになっています(※1&2)。
3組に1組のカップルが、どちらか片方、または両者が浮気を経験したことがある
22%の既婚男性が浮気を経験している
14%の既婚女性が浮気を経験している
36%の既婚男女が同僚と浮気したことがある
17%の既婚男女が義理の兄弟や姉妹と浮気したことがある
一度浮気をした人は350%の確率で再び浮気するといわれている
ほとんどの浮気は結婚2年以内に起こる
35%の既婚男女が出張中に浮気している
不倫の平均年数は2年
31%の不倫・浮気が配偶者にばれている
74%の既婚男性がもし妻にばれなければ浮気すると答えている
68%の既婚女性がもし夫にばれなければ浮気すると答えている
驚きの統計の背景には…
3組に1組のカップルの不倫や浮気経験。この数字は果たして多いのでしょうか?それとも、少ないのでしょうか?それにしても、男女ともの浮気願望の高さにも驚くばかりです。それよりなにより、見逃せないのが17%の背徳的な人たち。義理の兄弟姉妹と不倫なんて、映画やドラマの中だけかと思っていました。一体彼らの倫理観はどこへ行ってしまったのでしょう?自分が知らないだけで、世の中にはメロドラマも顔負けなドロドロのあれやこれやが日々起きているのかも知れませんね。ここ20年で顕著になっている点は、女性の不倫の増加です。経済的成功・自立が大きく関係していることが理由として考えられます。また、インターネットは良くも悪くも影響力が大きい模様。インターネットの普及で以前より気軽に誰かと知り合えるようになりました。結果、インターネットでの浮気は10%にのぼります。
不倫や浮気はテレビでも人気のコンテンツ
アメリカには、非常にアメリカらしい『不貞に特化した』テレビ番組があります。深夜に放送されている『Cheaters(チーターズ:浮気者)』。パートナーの浮気を疑う一般人視聴者が、番組に浮気調査を依頼する番組です。調査結果は全国ネットで放送され、浮気者のパートナーの顔にはモザイクもかかりません。その社会的制裁は尋常ではありません。番組放送後、浮気した側もされた側も浮気相手も、どう生活しているのか余計な心配をしてしまいます。次に忘れてはいけないのが、日中に放送される『The Jerry Springer Show(ジェリースプリンガーショウ)』。カップルと浮気相手がステージ上で顔を合わせ、三つ巴の状態で公開裁判もどきが繰り広げられます。一部はやらせも入っていると番組制作者が認めているものの、ヒートアップして三者入り乱れて乱闘に発展する様子は、この番組の最大の見せ場です。スタジオの観覧者は出演者に野次を飛ばすだけではなく、ときには罵倒することも。こういった下世話な番組が人気があるのは、やはり他人の不貞や不幸に興味津々な人が多いからなのでしょう。
浮気癖は死んでも治らない?
英語で浮気に関する有名な言い回しがあります。『Once a cheater, always a cheater.』日本語に直訳すると、『一度浮気をした者は、また浮気をする』。要するに、浮気癖は死んでも治らないという意味です。そう言えばこの言い回しは、アメリカの大ヒットドラマ【フレンズ】のあるエピソードの中でも、過去に浮気をしたロスに対しレイチェルが言っていましたっけ。統計では、浮気の再発率350%と驚異の数字を叩き出していますが、これには科学的根拠があるようです。カナダのYouTubeチャンネル APAScienceによれば、対立遺伝子が長い人は短い人より浮気しやすいことが分かっています(おまけに、ギャンブルや煙草、お酒、麻薬にもはまりやすい傾向が)。そして、信頼関係を築くのに必要なバソプレシンホルモンの分泌量が少ない人も浮気に走りやすいのだとか。また、金銭意識もカップルには重要な要素で、女性の収入が男性より高い場合、男性が浮気する確率が上がります。浮気が遺伝子レベルの話になると、もうお手上げですよね。事実、このニュースを紹介したMetro誌の記事では、『浮気の歴史がある人物と深い関係になるのは避けるのが賢明』と締めくくっています(※3)。
不倫や浮気に関する英語
さて、不倫や浮気についてお話しましたが、これらを英語でどう言うのかご存知でしょうか?下記はすべて不貞・不倫・浮気・情事を意味する単語です。
●adultery
例)She is committing adultery with her old flame.(彼女は元カレと浮気している)
●infidelity
例)Glenn accused her of infidelity. (グレンは彼女の浮気を責めた)
●cheat
例)Brian was cheating on his wife.(ブライアンは妻に内緒で浮気をしていた)
●affair
例)Cindy is having an affair with her boss.(シンディーは上司と不倫している)
おわりに
著者の周りに限って言えば、以前の職場で社内不倫を噂されている2人の既婚者がいました。結局両者とも離婚する結果になっていました。またよく聞く話では、適当に浮気を楽しんで決して本気にはならない人や、パートナーの不貞をあえて見て見ぬふりをする人もいるということ。その理由は、アメリカの離婚手続きが面倒なためです。不貞の結果、離婚になるかならないかは、個人やカップル次第。しかし、軽い火遊びが離婚の引き金となっては、払う代償が大き過ぎますね。みなさんも、『覆水盆に返らず』とならないようにご注意を!また、パートナー選びには慎重に!
参考文献:
(※1)Infidelity Statistics 2017: Why, When, and How People Stray
URL: https://www.trustify.info/blog/infidelity-statistics-2017
(※2)Infidelity Statistics
URL: http://www.statisticbrain.com/infidelity-statistics
(※3)Here is why “Once a cheater, always a cheater” is probably true, according to science
Written by: Olivia