オリンピック日本代表選手にも国際化の波が?ハーフの選手に思うこと

2016リオデジャネイロ・オリンピックの真っ只中です 。今回のオリンピックを観戦しながら、パートナーが外国人でハーフの息子を持つ著者が気付いたこと、考えたことをお話します。

代表選手にハーフの選手が複数いる!

リオデジャネイロ・オリンピックには数人のハーフの選手がいるのにお気付きでしょうか。すでに知名度があるケンブリッジ飛鳥選手。ウオルシュ・ジュリアン選手。ともに陸上競技の選手で、父親がジャマイカ人で母親が日本人です。そして、柔道のベイカー・茉秋選手。テニスのダニエル・太郎選手。共に父親がアメリカ人で母親が日本人だそう。その昔、ハンマー投げの室伏広治選手が出てきたとき、その日本人離れした体格やパワーにドキモを抜かれたものです。国際結婚が珍しくなくなってきた日本では、今後オリンピックの日本代表にハーフの選手が増えてくることが予想されます。事実、今回の大会には出場していないものの、2020年の東京オリンピックでは、サニブラウン・ハキーム選手をはじめ活躍が期待できそうな選手が数多くいるのです。この調子でいけば、複数の半分カタカナや全部カタカナの名前の選手を日本選手団の中に見付けることになるかもしれません。

ハーフ選手の肉体的アドバンテージ

ハーフの選手については、興味深い記事を見つけました。スポーツ遺伝学に詳しい順天堂大学の福典之准教授によると、『遺伝的にはスポーツで高いパフォーマンスを発揮するには、これまでアフリカンXアフリカンの組み合わせがいいと思われていました。しかし、アメリカのスプリンター遺伝子(ミトコンドリアDNA)を解析した結果、最もいい成績を出していたのは父方がアフリカ系、母方が非アフリカ系というミックスだったのです。つまり瞬発系運動能力についてはハーフという要素が与える影響は少なくないと考えられます。(※1)』。ハーフについては、以前より優性遺伝子の法則が働くことが言われて来ていましたが、それを裏付ける研究結果のひとつといえるでしょう。ハーフは欧米人やアフリカ系の遺伝子の影響で、身長や筋肉など肉体的にアドバンテージがあるのはよく知られていました。運動能力的にもアドバンテージがあるとは、遺伝子の不思議を感じますね。

ハーフ選手の台頭は純日本人にとって複雑か?

以前、ハーフの女性がミス・ユニバースの日本代表に選ばれたことで、「純日本人を選ぶべきだ」と不満が殺到したのは、みなさんの記憶にまだ新しいはず。このとき海外からは、「ハーフに対する差別だ!」と、批判を受ける結果に。アメリカなどは混血しまくっていますので、そもそも『純アメリカ人』など存在しません。日本の人口構成はマジョリティーが日本人です。その背景から、純日本人の代表選手を望む声が多いのかもしれません。となると、今後オリンピックでハーフの選手が活躍することを、良い結果が望めそうなことは認めつつも、「(見掛けが)日本人ではない!」と、複雑な気持ちで眺める日本人が出てくることも予想されます。

ハーフの子供を持つ親としては…

昨今では、日本人の外国人やハーフに対する感情は、さらに複雑なものになりつつあります。ハーフのタレントやモデルがテレビでもてはやされる一方、いわゆる純日本人でない者を煙たがられることも。外国人やハーフに対するダブルスタンダードがあるのではないでしょうか。パートナーがアメリカ人でハーフの息子を持つ著者としては、このような話を聞くたびに、複雑な気持ちになります。いつまでハーフは、色眼鏡で見られるのかなと…。ハーフの選手の見た目がどうであれ、彼らが日本で生まれ育ち(または、海外で日本人として育ち)、心も日本人で日本人として誇りを持っているなら、彼らは日本人として認められることを望んでいるのではないでしょうか。

おわりに

『私の子供はハーフ!純日本人の子供より可愛い!』といった特別感・選民意識を抱いている親も、なかにはいるのかもしれません。しかし、ほとんどのハーフの子供を持つ親は、子供の容姿の良し悪しよりも、子供の幸せを一番に考えています。子供が差別にあったり、それが原因でアイデンティティに悩んだりして辛い思いをしなければいいと心配するものです。もし、ミーハーな考えでハーフの子供が欲しいと思っている方がいたら、その点をよく考えて頂けたらなと思います。今日の日本には、移民や在日外国人など、非常に繊細な問題があるのは確かです。しかし、日本は世界の国際化について行かないわけにはいきません。ましてや今さら鎖国することもできません。ハーフの子供の親の立場からすると、将来的に日本の世の中がハーフの人たちをハーフという色眼鏡や偏見を捨てて 、ひとりの人間として接するようになればと願わずにはいられません。

参考文献:

(※1)日本スポーツ界、金メダル期待のハーフ選手たち。なぜ彼らは運動能力が高いのか?
URL: http://nikkan-spa.jp/1136330

photo by:https://www.pexels.com/

written by : Olivia

関連記事

  1. 『お客様は神様』ではない!お客を選ぶ権利があるアメリカ

  2. 日本の常識と大違い?アメリカの妊婦生活

  3. 【男性必見】欧米人女性が抱いている日本人男性イメージ

  4. トラブルに巻き込まれないために、海外で気を付けたい服装とは?

  5. 【色黒のあなたに朗報】小麦色の肌=ステイタスの証!

  6. J1ビザって何?憧れのアメリカで働く方法