世界は広いです。日本で常識だと思っていることが、海外では非常識…なんてことは珍しくはありません。日本では好意的に思われていないことが、海外では逆に歓迎されるということもあります。今回ご紹介するのは、日本人にはコンプレックスと認識されている、身体のある部分のお話しです。
歯にまつわる日本と海外の常識
近年、日本でも歯列矯正される方が増えて来ました。とはいえ、まだまだ八重歯はチャームポイントとして世間から認識されている事実は、昔からさほど変わっていないようです。数年前、某女性アイドルグループの某人気メンバーに八重歯があったことで、同じような八重歯を望むファンがいたそうです。その結果、付けまつげのような感覚で、装着可能な付け八重歯まで出来たのだとか。八重歯に関してはもう有名すぎる話ですが、海外では吸血鬼を連想させるとして八重歯は好意的には思われない傾向があるのは、みなさんもご存知の通り。では、すきっ歯はどうでしょうか?チャームポイントになりうる八重歯とは異なり、すきっ歯はコンプレックスと感じる方が多いのではないのでしょか?そんなすきっ歯の方に、朗報です。すきっ歯でも海外に行けば、自信が持てるようになるかもしれません!
すきっ歯=幸運の歯?
アメリカをはじめとする欧米諸国では、口元の美意識が高いものだと思っていました。しかし、どうやらすきっ歯だけは、例外のようです。なんとフランスでは上の前歯のすきっ歯は、『幸運の歯(dent du bonheure)』と呼ばれています。なんでも、歯の隙間から幸運が入ってくると言われているのだとか。アメリカでは、すきっ歯(gap teeth)はセクシーだと思われることがあるようです。すきっ歯の女性の笑顔は、可愛らしく魅力的でミステリアスとまで謳われることも。日本でのすきっ歯の評価と180度異なるから驚きです。
あるモデルの卵が課せられたイメージ改造計画
『America’s Next Top Model』というアメリカのリアリティー番組をご存知でしょうか?元モデルのタイラ・バンクスがホストを務めるこの番組では、モデルの卵たちが競い合い、優勝者には賞金とともに、大手モデル会社との契約、化粧品会社Cover Girlのモデルとして活躍するご褒美が与えられます。2003年から放送開始したこの番組は、民放での放送は昨年終わりましたが、今後はケーブルテレビで放送される予定だそうです。さて、この番組のあるサイクルの中で、モデルの卵たち全員がイメージ改造の指令をタイラから受けたときのこと。髪形を変えたり、髪を染めるように言われることが多い中、あるモデルは彼女の歯についての注文を受けたのです。その注文は、『すきっ歯の隙間を、あえてさらに広げて目立つようにすること』でした。タイラはそのモデルに語るのでした。「スーパーモデルの中でもすきっ歯が魅力的な人がたくさんいる。あなたのすきっ歯は武器になる。中途半端なすきっ歯を思い切って、目立つすきっ歯にして、あなたの最大の売りにしましょう!」こうしてそのモデルのすきっ歯の隙間は、歯科医によってさらに大きく広げられたのでした。すきっ歯にポジティブなイメージがなかった著者が驚いたのは言うまでもありません。
すきっ歯のセレブやモデルたち
すきっ歯のセレブと聞いてまず思い出すのは、俳優のジョニー・デップの元パートナーでフランス人歌手のヴァネッサ・パラディでしょう。アメリカでは、歌手のマドンナもすきっ歯の持ち主として有名です。レディー・ガガはすきっ歯ではないものの、前歯の間をわざと黒く塗ってすきっ歯に見せています。日本でそこまでするのは、志村けんのコントの中だけでしょう。残念ながら亡くなってしまったイギリスの歌手エイミー・ワインハウスもすきっ歯でした。モデル界でもすきっ歯人口は多く、ケイト・モスやジェシカ・ハート、リリー・オルドリッジ、ララ・ストーンがあげられます。映画界では、ブリジッド・バルドーやジェーン・バーキンが、すきっ歯女優の代表でしょう。こうしてみると、ビッグネームばかりですね。
まとめ:欠点も長所になるかも?
マドンナが全盛期だった80年代、「なぜ大金持ちなのに、すきっ歯を治さないのだろう?」と不思議に思っていました。理由を知れば言わずもがな。マドンナはわざと隙間を大きくしたという噂もあるぐらいで、自らのすきっ歯について、「だってセクシーでしょ?」と言ったことは有名です。欧米社会では、多くのすきっ歯のセレブが成功しています。すきっ歯は欠点どころか、美の象徴ではないかと思うぐらいの扱いです。ところ変われば品変わる、とはよく言ったものですね。日本ではあまりウケの良くない大きなお尻が海外ではセクシーの代名詞になるように、コンプレックスになりがちなすきっ歯も欧米諸国では長所になりうるのです。日本ではすきっ歯が気になって大きな口を開けて笑えない方も、海外では、「こんなセクシーな私を見て!」とばかり、口元を気にせず自信いっぱいに笑えるかもしれませんね。
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written by : Olivia