彫りの深い外国人と比較すると、一般的に顔の凹凸が目立ちにくい我々日本人。人種が異なるから顔の造詣が異なるのは当然です。しかし、やはり高い鼻に憧れる人が多いのも事実です。ところが、鼻の話は外国人にはしない方が無難であることをご存知でしょうか?今回は、その理由をご紹介します。
【鼻が高い】は誉め言葉ではない?
日本では、【鼻が高い】は誉め言葉の部類に入ります。特に男性にとっては、鼻が高いのはハンサムの要素。言われて気分を害する人もいないでしょう。ところが、鼻に関する話題は海外ではタブーなのです。以前、『知ってた?欧米人に『小顔ですね』は禁句です!』の記事の中で、欧米人に『小顔ですね』と言うことは侮辱と誤解されかねないと書きましたが、【鼻が高いですね(You have a big nose!)】もNGだと覚えておきましょう。
【鼻が高い】のは当前
では、なぜ【鼻が高い】は言わない方が賢明なのでしょうか?理由はいくつかあります。まず第一に、欧米人には【鼻が高い】という概念がないから。小顔と同様、欧米人は鼻が(日本人より)高いことが普通です。従って、いちいち指摘される理由が皆目見当付かないのでしょう。【鼻が高い】と類義語で【彫りが深い】という誉め言葉がありますね。これも、欧米人にとっては【彫りが深い】という概念がないので、言っても意味が通じません。
ビッグ・ノーズは 悪口
それにそもそも、【鼻が高い】に該当する英語の表現がありません。一般的に言われがちな【a big nose】には【鼻が高い】と言うニュアンスはなく、醜い鼻を連想させます。欧米諸国では悪口になりかねません。大きい鼻は彼らの審美基準からは外れ、マイナスの意味合いを持ちます。
鼻に関するコメントは人種差別や偏見につながることも
鼻に関するコメントが人種的な偏見につながることがあります。例えば、第二次世界大戦中、アメリカのプロパガンダ目的のポスターに、日本人が釣り目や出っ歯、チビとして描かれていました。また、日本経済がアメリカを抜いた80年代には、映画には【首からカメラを提げた】日本人観光客が登場。これらは全て人種的な、【ステレオタイプ・既成概念】です。勿論、良い気はしませんよね?鼻に関するステレオタイプの代表格は、ユダヤ人の鼻は【Jewish nose】です。ステレオタイプとしてのユダヤ人の鼻は、大きい鷲鼻とされています。風刺漫画に出てくるユダヤ人は、大抵そのような感じで描かれています。著者も日常生活の中で誰かが『あの人はユダヤ人特有の鼻をしている』とか『あの鼻の形からすると、彼はユダヤ人に違いない』と言っているのを実際に聞いたことがあります。このように、差別や偏見が理由で鼻が敏感な話題になり得るのです。最近では、某航空会社の【金髪に高い鼻】を付けた芸人が登場したコマーシャルが人種差別に当たるとして打ち切りになったことが、みなさんの記憶に新しいのではないでしょうか?
自分の鼻が好きではない人だっている
最後に、欧米人にだって自分の鼻にコンプレックスを持っている人がいるということ。自分の鼻が好きでない人にとって、鼻ついて他人にコメントされるほど嫌なものはありません。欧米諸国での鼻の整形手術は大人気。ただし整形手術と言っても、日本人のように鼻筋を通して高くするわけではありません。むしろ、鼻を小さく(低く)するのです。英語で鼻の整形手術は【nose job】または、【rhinoplasty(ライノプラスティ)】と呼ばれ、主に鷲鼻を直したり小鼻を小さくしたりして形を整えるのが目的です。
まとめ
どんな美男美女でも人知れず顔や身体にコンプレックスを持っているもの。やはり身体的特徴は、軽々しく口にしない方が賢明です。それが、初対面ともなれば尚更でしょう。こちらは悪気は全くなく誉めているつもりでも、相手の気分を害したり、心を傷付けるのは是非避けたいものですね。
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written by: Olivia
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