【控えめな日本人あるある】海外の空港でのトラブルネタ集 [後編]

【控えめな日本人あるある】海外の空港でのトラブルネタ集 [前編]の続きです。
本来は楽しいはずの海外旅行。ところが、トラブルに見舞われてしまうことも、実は珍しくありません。備えあれば憂いなし。空港での数々のトラブルネタをご紹介します。

入国・出国審査の謎

 

  • インドネシア旅行の帰りのジャカルタ空港で。出国審査で男性税関職員に「付き合ってくれ」と口説かれたM。最初は冗談だと思って軽く流していたが、「No」と言ったMに腹を立てたのか、税関職員の顔がだんだん怖い顔つきに。結局パスポートを返してもらうのに10分を要した。その間、「このまま日本へ帰られなかったらどうしよう?!」と不安になった。
  • 日本への一時帰国からサンフランシスコ空港へ到着したK。パスポート、永住権、税関申告書とすべての必要書類を持っていたにも関わらず、入国審査で別の窓口へ行くように指示された。不安な思いで窓口へ出向いたKを待っていたのは、若い男性税関職員。「この書類に記入して」と、見たことのない書類を渡された後、パスポートにスタンプを押された。よく見ると、それはディズニーのキャラクター。熊のプーさんの仲間のトラ、ティガーだった。何かの冗談かと目を疑った。パスポートに入国・出国許可以外のスタンプを押しても良いのか、未だに謎のまま。海外の空港で入国審査を受けるたびに、そのふざけたスタンプについて訊かれないかとドキドキするが、今のところは事なきを得ている。
  • イギリスのニューカッスル空港での入国時。乗客がEU圏に住む者と、それ以外で分けられた。なぜかEU圏の乗客が優先的に入国審査を受けることになり、それ以外の乗客が何の説明もなしで恐ろしく長い時間待たされることになった。まさに放置状態だったが、誰ひとり文句を言わなかった。見た目がアジア人的な乗客が多かったため、どうせ英語が分からないだろうから説明しても無駄と思ったのだろうか?税関相手にクレームを上げたところで相手にされないか、最悪の場合、入国拒否されるのが関の山。腹が立ったが、諦めて大人しく待つしかなかった。
  • 北京で語学留学を終えた帰りの北京空港での話。出国審査を受けているとき、税関職員に通っていた学校名を中国語で尋ねられた。緊張のためか学校名をど忘れしてしまい、間違った学校名を申告してしまったN。税関職員に回りに人がいない場所へ連行され、今度は英語で同じ質問をされた。申告内容と合致したため、無事に出国許可が下りた。中国で怪しい活動をしていたと疑われたのだろうか?税関職員の顔はまったく笑っていなかったので、背筋が凍った。
  • 台湾の台北空港にて。入国審査を受けるために、ブース前の停止線で並んでいたJ。すると、前の乗客の審査が済んだ途端、どこから現れたのか現地人と思われる人間数人に横入されてしまった。それは一瞬の出来事だった。まさか、停止線と入国審査ブースのわずか数メートルの間で割り込みされるとは!英語で抗議したものの、割り込んだ相手たちはMをチラリと見るだけで、お構いなしの表情。税関職員が割り込んだ人間に注意すらしないことに、さらにショックを受けた。郷に入れば郷に従えとは言うものの、さすがに入国審査時に順番抜かしはアウトだろうとモヤモヤした。
空港で紛失

 

  • アメリカの大学へ留学することになったF。入国した空港で待てど暮らせどスーツケースが出てこなかった。結局、スーツケースはどこかへ行って紛失したか、盗難被害にあったかで、出てこず仕舞い。スーツケースの中にはお気に入りの服やカメラ、辞書など留学生活に必要な物が多数入っており、そのショックは計り知れなかった。後に、『チェックインする荷物の中には、貴重品は絶対に入れないのは航空会社職員の間では常識。間違っても、写真や誰かの形見など代替えが利かない・金銭で解決出来ない思い出の品を入れてはいけない』と、航空会社勤務の友人から教えられた。
  • 911以前のサンフランシスコ空港で。入国審査の列に並んだOの顔は蒼白した。どんなに探しても、パスポートが見つからなかったのだ。航空会社の地上職員に助けを求めて、飛行機の中を捜索してもらうも、見付からず。どうやら、日本の空港でパスポートを紛失してしまったことが発覚(当時、搭乗時にパスポートの提示の必要がなかったので、到着するまで分からなかったのだ)。このままアメリカの地を踏むことなく、ついさっき乗ってきた飛行機で強制送還されることを覚悟した。しかし、日本の領事館や出発空港に問い合わせた結果、幸運にも特別な措置で入国許可が下りた。アメリカ滞在中、領事館でパスポートの再発行してもらう羽目に。今では到底考えられない話。
  • ロサンゼルス空港にて。帰りのフライトをチェックインした後、財布を紛失してしまったT。財布にはクレジットカードだけでなく、日本の運転免許証も入っていた。よりによって、場所は治安が決して良いとは言い難いロサンゼルス。絶望視しながらも、駄目もとでLost & Foundへ出向いた。すると、予想に反して財布が届けられていた。訊くと、どうやら親切な若いアメリカ人らしき男性が財布を届けてくれたのだそう。ロサンゼルス空港で財布が返ってきたのは、奇跡だと今でも思っている。

空港での持ち物紛失は決して珍しくはありません。チェックインの手続きや、お土産の購入時には要注意。パスポートや財布を手荷物から取り出して、置きっぱなしにしたり落としたりすることも。海外の空港で貴重品を紛失しても、手元に戻ってくる可能性はほぼ絶望的です。そう言えば、以前、イタリアでは空港職員がらみのプロの窃盗団による盗難被害もありました。貴重品の取り扱いは慎重に!

番外編

 

  • 香港空港で乗り継ぎがギリギリになってしまったR。館内放送で呼び出され、地上職員とゲートまで走ることになった。Rは中国語が堪能だった。しかし、そんなことを知らない職員はRと並走しながら、ゲートで到着を待つ別の職員にトランシーバーで「今、そちらへ向かっています!こいつ、走るのトロいんです!」とキレ口調で伝えていた。職員の愚痴を聞きながら走るのは勘弁して欲しかった。
  • ソウルの空港にて。友人たちと写真撮影をしていたら、警備員が血相を変えて飛んできた。韓国では空港で写真撮影するのはご法度だと知らなかったのだ。最悪、カメラ没収かフィルム破棄かと覚悟したT。ラッキーにも、こっぴどくお叱りを受けただけで逃してくれた。
  • アメリカのオーランド空港で。Iは昔ながらの紙の航空券を誤って捨ててしまった。一緒にいたIの母親はEチケットだった。英語ができない母親は、自分ひとりでは搭乗はありえないと断固拒否。航空会社のチェックインカウンターの女性職員に懇願するも、「No!」の一点張り。「ああ…新たに二人分の航空券を正規の値段で購入しないといけないんだ…」と途方に暮れていたその時、日本人の職員が偶然通りかかった。藁にもすがる思いで彼を呼び止めて説明したところ、航空券の再発行に別途100ドルが掛かると言われた。クレジットカードで支払いを済まし、事なきを得た。しかし、なぜアメリカ人の職員が臨機応変に対応してくれなかったのか、未だに謎である。あの時、日本人職員が通りかからなければ、どうなっていたか考えるだけで恐ろしい。
  • 香港から日本へ帰国する当日、大型台風が西日本へ近づいていた。フライトが関西国際空港へ到着するころ、ちょうど台風が関西を直撃するということをニュースで知ったYとK。Yはその東京在住だったが、実家の母親を訪ねるために関西国際空港までの航空券を所有していた。航空会社に交渉して東京のフライトに変更してもらい、台風の被害は免れた。しかし、大阪住まいのKの飛行機は、関空上空を2時間旋回し続けた挙句に着陸を断念。結局、飛行機は成田へダイバートすることになった。天災にも関わらず、ホテルと翌日の国内線のチケットが支給されたのだけは、不幸中の幸いだった。

おわりに

911以降、空港でのセキュリティーチェックが厳しくなっています。怪しまれそうな持ち物は、手持ちにせずにスーツケースに入れてチェックインするか、もしくは、航空会社の係員に預けるようにしましょう(到着空港のゲートで返却してもらえます)。そう言えば、タランティーノ監督の映画『キル・ビル』で主人公が刀を携帯したまま飛行機に搭乗していましたが、あんなことは実際には絶対にありえないですから!

また、出入国審査時には、ときには不可解で不条理なことが起きることも。税関職員が乗客に交際を申し込む・デートに誘うとか、職権乱用も甚だしいですよね?しかし、時々そんな話を耳にするということは、実は珍しくはないのかもしれません。海外は日本と違って、いい加減と言うか、何でもあり?と驚かされますね。

空港でのトラブルは、誰に、いつ何時襲い掛かってくるかは未知数です。旅行から帰ってくれば、トラブル話も良い(?)思い出や笑い話になります。しかし、トラブルの最中は、血の気が引いて、目の前は真っ暗に。不幸にも、トラブル時に身を助けるのは、やはり語学力です。語学力があると、トラブルを解決したり交渉したりすることが可能です。残念ながら、海外の航空会社の職員に、日本の航空会社の職員のように親切で丁寧な対応は期待できません。譲れないことはちゃんと主張しなければ、泣き寝入りする羽目になることも。語学力がない場合はどうするのか?簡単なセンテンスでも強く主張するに限ります。それも、必死の形相で。また、大きな空港では日本語が出来る通訳や空港職員もいますので、本当に困ったときは呼んでもらうのが賢明です。それではみなさん、良い旅を!
【控えめな日本人あるある】海外の空港でのトラブルネタ集 [前編]はこちら

written by: Olivia
photo byhttp://www.freepik.com/

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