世界各国が十進法を採用しキログラムで重量を表す中、アメリカは頑なにポンド・ヤード法にこだわる稀有な国です。キログラムに慣れている私たち日本人からすると、ポンドやオンスは聞いたことがあるぐらいで、ほとんど馴染みがありませんね。そこで今回は、アメリカで使われている重さの単位であるポンドとオンスについて説明します。
7ポンド9オンスの我が子は、重いのか?それとも軽いのか?
著者が息子を出産した時のことです。病院の職員から「体重は7ポンド9オンスです」と告げられました。心身ともに疲労困憊で意識が朦朧としていたため、それが重いのか軽いのか全くピンと来なかったのを覚えています。ちなみに、7ポンド9オンスは約3430グラムに該当します。当然のことながら、多くの日本人にはそれが一体どれぐらい重いのか見当がつかないでしょう。ところが、アメリカではポンドやオンスを知らなければ生活が困難になることも。病院では体重をポンドで尋ねられるし、スーパーに行けば野菜や果物は1ポンド当たり幾らの表示が。カウンター越しで精肉や総菜を注文するときは、希望する重量をポンドで伝えなければなりません。一般的にアメリカ生まれのアメリカ人には、キログラムやグラムと言った重さの単位は通じないのです。
そもそも、ポンドとオンスって何?
では、アメリカで採用されている重さの単位ポンドとオンスについて詳しく説明しましょう。
- 1ポンド=約453グラム。
1ポンドの半分は0.5ポンドではなく、1/2(a half pound)と言う。
英語の綴りは、pound。表記は、lbsとされることが多い。発音は、パウンドに近い。
- 1オンス=約28グラム。
1オンスは約 0.0625ポンドに相当し、16オンスで1ポンドになる。
英語の綴りは、ounce。表記は、ozとなる。発音は、アウンスに近い。
正直、ややこしいことこの上ありません。453グラムとか28グラムとか数字が細か過ぎます。しかも、割り切れないのでスッキリしません。10キロや100グラムなど10の単位の方が明らかに覚えやすいし、計算もしやすいと思うのですが、果たして慣れの問題なのでしょうか?
アメリカ人が数字に弱いのは、ポンド・ヤード法のせい?
アメリカに暮らしてみて、著者はアメリカ人の数字の弱さを実感する日々です。簡単な暗算が出来ない人が珍しくないのは、数学の授業で計算機を使用するからなのでしょうか…?アメリカ人が数字に弱い理由は、このポンド法のせいではないか?と著者は密かに疑っています。以前その点を、大学では数学を専攻し、当然ながら十進法を学んでいるアメリカ人の友人に指摘してみました。すると、ブラックジョークのような返事が返って来ました。「10のような分かりやすい単位では、アメリカ人は混乱するよ!」実際、アメリカでは過去に何度もポンド・ヤード法からメートル法の導入を試みるも、国民に全く浸透せずに挫折を繰り返しているそうです。世界的にみて、現時点でもポンド・ヤード法を採用している国は、アメリカの他にミヤンマーとリベリアのみ。アメリカはありとあらゆる分野で世界の最先端を行っている国だと思っていたのですが、どうも違うようですね。
まとめ
キログラムやグラムに慣れた私たちからすると、ポンドやオンスは何ともすっきりしない数字であるのは否めません。しかし、スマホで換算出来ない状況に備えて、最低でも【1ポンド=約453グラム】ぐらいは頭に入れておくと便利でしょう。他にも、指標になる数字を覚えておくのもいいかも知れません。例えば、100ポンドは約45キログラム、のように。イメージ的には、ポンドを2で割ったものより若干少ない数字が、キログラムに換算した数字と言ったところでしょうか。唯一の救いと言えば、アメリカのスーパーで販売されている袋や箱、缶入りの食料品にはポンド・オンス表示の後にカッコ書きでキログラム・グラム表示が併記されていることでしょう。アメリカ暮らしが長くなりつつある著者はこのような感じで、ポンドやオンスを緩い感覚で理解しながら生活を送っています。
関連記事:【日本人はオシャレ過ぎ?】アメリカに”流行のファッション”はあるのか?
picture by:http://www.freepik.com/
written by: Olivia
国際交流パーティーで、外国人と楽しく交流しませんか?
イベントスケジュールはこちら