『一人の寂しさか、二人の煩わしさか?』とは、離婚歴ありの元上司の名言です。独身生活の心情と、結婚生活の心情を、そのように表現したのです。今だからこそ言えます…「言い当て妙やわぁ…」。当時独身だった著者は、そのセリフを耳にしたとき、「そんなもんなんか…?」程度にしか思いませんでした。今なら、笑点の大喜利に例えると、元上司の言葉に座布団三枚あげたいぐらいです。
みなさんご存知の通り、結婚して誰かと共に生活していくのは、楽しいことばかりではありません。結婚とはやっかいなもので、日本人同士だからと言って、上手くいくとも限りません。例えば、関東と関西では、お正月に食べるお雑煮が違うんですよね。初めて知ったときは、衝撃でした。しかも、日本人同士どころか、同じ関西人同士でも、薄口しょうゆを使うか、濃い口しょうゆを使うかで揉める夫婦もいるくらいです。しょうもな~と、笑ってる場合ではありません。食べ物の恨みは怖いんですから。
究極的に言うと、結婚は、忍耐力と妥協を学ぶ修行です。日本人同士でもそんな調子ですから、パートナーが外国人ともなると、さらに大変です。修行も修行、荒修行です。覚悟なしでは厳しいです。どう考えても、日本人同士の結婚のほうが、文化的背景が同じ分、楽な部分は多いと思います。では、国際恋愛や国際結婚をうまく長続きさせるコツってあるんでしょうか?
1)会話を心掛ける(とにかく話す)
正論過ぎて、「そんなん言われんでも分かってるわ!」と、多方向から突っ込みが飛んできそうです。しかし、敢えて言いますが、パートナーとの会話は非常に重要です。例えば、アメリカ人は、伴侶に対して、『いかに一緒に楽しく過ごせるか』を求めている人が多い印象を受けます。家事能力より、コミュニケーション能力重視です。ですから、一緒にいて楽しくないとなれば、子供がいようが離婚に至るわけです。
アメリカ人男性は、日本人男性よりも、おしゃべり好きな人が多いのです。デートのときも、女性を楽しませ、退屈させないようにと、おしゃべりに努めます。話す内容は、政治経済、社会情勢などお堅いものでなくても、何でもいいと思います。ちょっと古いですが、SMAPの曲『しようよ』の歌詞でも、そんな問題提起をしていましたね?本当にその通りなのです。会話しないことには、相手の考えてることなんて分かりませんし、お互い理解も出来ません。とにかく、何でも話すのが大切です。
2)自分の意見・考えを相手に明確に伝える
これは、人種・国籍問わず、男女の永遠の課題なのかもしれません。『言わずとも、相手は分かってくれるだろう』は通用しません。パートナーが外国人では、『以心伝心』や『阿吽の呼吸』など存在しないと、最初から諦めましょう。ましてや、『目と目で通じ合う』なんて、SF小説の中だけでの世界です。特に、多様な価値観が存在する移民国家では、ミス・コミュニケーションを回避するために、自分の意見を明確に相手に伝えるのが重要です。
パートナーに望むことは、分かりやすく言葉にしなければなりません。日本人が好む歪曲的な伝えかたよりも、直接的な伝えかたが有効です。はっきり言って面倒です。しかし、面倒臭いからと言って、あなたがパートナーに腹を立てたとき、ムスッとした顔で相手を無視し続けても、何も問題は解決しません。彼は あなたが何で黙っているか分からず、あなたは余計に腹が立つだけです。
3)言葉の壁を減らす
これもまた、常に口を酸っぱくして言っていますが、言葉の問題は、死活問題です。毎日のことですから、当然です。外国人のパートナーと一緒にいる限り、言葉の問題は、ずっとついて回ります。語学の学び始めや、仕事など限られた環境だけで外国語を話す場合、外国語を話すことが『特別』に感じられることもあるはず。『外国語を話すのが楽しい!』とか『外国語を話す自分は、ちょっとイケテるかも?』と思うかも知れません。
ところが、パートナーが外国人となると(彼が日本語を流暢に話さない限り)、段々と外国語を話すのが、特別なことではなくなってきます。そう、日常生活の一部となってしまうのです。将来、パートナーの国で暮らす予定なら、なおさらです。外国語は、パートナーが外国人だからと言って、急激に上達するわけではありません。日々、コツコツと勉強、これに尽きます。外国語を話す=華やかなイメージどころか、ひたすら地道に勉強という地味な現実。
叶わないと分かりつつ、ドラえもんの『翻訳こんにゃく』が、喉から手が出るほど欲しいところです。とは言え、二人の関係を生かすも殺すも、後に外国語で苦労するかも、自分の努力に掛かっています。言葉が全てではないですが、出来ないより出来るに越したことがないのは確かです。
4)二人の時間を大切にする
国際恋愛・結婚あるあるの一つですが、パートナーと育った環境が全然違うので、子供のころ流行ったものの話を、お互い分かり合えません。彼から、子供のころによく見たテレビ番組の話を聞いても、全くぴんと来ず。最近でこそ、日本のアニメは海外でも市民権を得ていますが、彼は『サザエさん』も『ちびまるこちゃん』も観て育ってはいないのです。温度差がある上に、全然盛り上がりにも欠けます。残念ながら、この溝は埋められません。
しかし、大切なのは、過去より現在と未来です。パートナーと一緒に何かをする(旅行する・体験する)ことで、絆を深めることが出来ます。共同作業を通じて、共通の思い出が出来、お互いが特別になります。二人の思い出がたくさんあれば、やはり簡単には離れられなくなるというもの。子供がいるカップルは、ベビーシッターに子供を預けて、二人だけで過ごす時間を大切にするのも名案です。少々出費があっても、払う価値は十分にあるでしょう。
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written by Olivia