みなさんは、ホームシックにかかった経験はありますか?ホームシックとは家族や故郷を懐かしく思う気持ちで、海外滞在中だけではなく日本国内でも感じることがあるのもです。期間限定の短期居住者に比べると、国際結婚で海外に渡る場合など、海外での生活が長くなる分独特のタイミングや理由で日本が恋しくなることがあります。今回は著者や周りの永住者の体験や意見をもとに、長期海外滞在者がホームシックになる状況を5例ご紹介します。
病気になったとき
体調を崩すと精神的にも弱る傾向にあるのは周知の事実です。これは海外生活をしていると顕著に現れます。著者が暮らすアメリカでは、かかりつけ医の受診は基本的には完全予約制。Walk Inと呼ばれる飛び込み可能のクリニックもありますが、当然ながらいつもの医師に診てもらうことは叶いません。また、医療費も高額なので、気軽に病院へかかることを躊躇してしまいます。薬を飲んでベッドに寝ながら思い出すのは日本の医療制度のこと。『行きたいときにいつでも病院へ行ける』状況がいかに恵まれていたかを思い知るのです。
また、著者は急性虫垂炎で手術した翌朝に『いかにもアメリカン』なボリューム感たっぷりの朝食が出て来たときには、本心から日本へ帰りたくなりました。せめてお粥かうどんのようなあっさり系にして欲しい…。アメリカで大病を患って入院したら、入院食が口に合わないせいで痩せ細って死ぬのでないか?と真剣に考える今日この頃です。
日本へ里帰りして帰国直後
日本での生活があまりにも快適で楽しすぎて、現在生活している国にもう帰りたくない!こう感じる人は海外生活が長くなるほど多くなるようです(著者は毎回このケースに当てはまります)。何故、日本という祖国がありながら、他の国へ帰らなければならないのか?と、日本滞在も終わりに近づくにつれ自問自答を始めます。もちろん、現在生活している国には『家族』や『生活』があるから帰るのですが、このまま日本へ残れたら…と現実逃避に走ります。仮に日本へ住み続けても、なにかしら不平不満は出るもの。『隣の芝生は青く見える』や『故郷は遠くにいて思いけり』なんて言葉がある通り、完全な理想郷・桃源郷などこの世にはないのですが。日本へ里帰りするたびに親が老いていくのを実感するのも辛いものです。すぐにまた現地の生活に戻るものの、日本へ残した家族や友人たち、美味しい食事に便利な公共交通機関、そして追い炊き機能付きの日本式お風呂を思ってホームシックは数日続きます。
自分や周りの老いを感じるようになったとき
自分自身や日本へ残してきた家族がまだ若くて健康なときは、自分や親のど老後のことは具体的に考えないものです。著者も現在よりもずっと若く、期間限定でアメリカに住んでいたころは、『アメリカ最高!ずっとアメリカで暮らしたい!』と考えていました。今思うと若さゆえですが、無知以外の何ものでもありません。配偶者が存命中はともかく、もし先立たれたらどうしよう?と国際結婚して海外に暮らす人は必ず思うはず。これが理由で定年後は日本へ永久帰国する日本人も決して珍しくはありません。やはり、年を取ると望郷の念が強くなるのでしょうか。そんな著者も老後は勝手知ったる日本で日本語を話してゆっくり暮らすことを夢見るひとりです。
物事が上手く行かないとき
海外生活で夫婦関係が上手く行っていないとき、どんなに日本に住んでいたら!と思うことでしょう。もし日本に住んでいたなら、実家を頼ることができる人は、とっくに家を出てるかもしれない人だっているはずです。皮肉にも、良くも悪くも海外にいるからこそ婚姻関係が持続することもあります。他にも『日本では絶対にこんなことは起こらないであろう』出来事に遭遇したときがあげられます。
たとえば、著者が実際に過去に体験した話ですが、一カ月の間に立て続けに二回も自動車事故に巻き込まれました。しかも、運の悪いことに加害者は2人とも無保険車だったのです。相手に100%非があるにも関わらず、車のダメージの保障をしてもらえない状況にはストレスが溜まりました。当てられ損です。日本国内の生活同様、海外生活中にも運気に波があります。不運がが続くと、『なぜこんな思いをしてまで海外にいるのか?』と思っても不思議ではないでしょう。
親しい友人が日本へ永久帰国するとき
海外生活において心を許せる日本人の友人は貴重な存在です。その友人が、日本へ永久帰国するときほど落ち込むことはありません。著者は過去に3回経験しましたが、毎回寂しさと羨ましさが混在した複雑な心境に落ち入りました。
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written by: Olivia