女性は若い方が良いという考えが世の中に浸透している我が国。若過ぎるアイドルたちのせいで、ロリコン文化疑惑まで出てくる今日この頃です。一方、欧米諸国では、「年齢のことはあまり言われないらしい」とか「恋愛するのに年齢を気にしないらしい」など、『年齢至上主義でない』と言われている…そんな話を耳にしたことはありませんか?実のところ、海外の『非年齢至上主義』は本当なのでしょうか?
年齢は単なる数字に過ぎない?
アメリカで生活していて、時々アメリカ人の口から聞くのが「Age is just a number.(年齢は単なる数字に過ぎない)」というセリフです。どういった機会に聞くかというと、誰かが「もう若くないので…」と、負のセリフを漏らすとき。その『誰か』は、年齢を気にしがちな日本人が多かったりするのですが。もちろん、著者も例外でなく、アメリカ人に「~したいけど、若くないから無理…」と言ってしまうことがあります。そんなときは大抵アメリカ人なら、「Never too late!」と返してくれる人が大半です。アメリカ人が底抜けに前向きで、他人の気持ちを気遣ってそう言うのではなく、アメリカは日本より年齢による制限が少ないことが理由なのでしょう。例えば、何歳でも大学や大学院に行くことが出来るし、転職するにも(職種にもよりますが、大体50代半ばぐらいまでは)年齢が障害になりませんし、恋愛だって生涯現役の人もいます。履歴書に年齢を書く必要もないし、職場で年齢を訊かれることも少ないのです。したがって、長年一緒に働いているけど、何歳だか分からない同僚がいるのも珍しくはありません。
アメリカの結婚にまつわる数字
とある最新の統計では、日本における平均初婚年齢は、男性が31.1歳、女性が29.4歳だそうです(※1)。一方、アメリカの平均初婚年齢は、男性が29.1歳、女性が27.1歳となっており、日本のそれとそれほど大差はありません(※2)。アメリカのの晩婚化の理由は、ミレニアルズと呼ばれる現在18から34歳の結婚適齢期と言われる世代が、リーマンショック以降の不安定な経済情勢に影響を受けているとか、草食系男子の割合が増えているからだと言われています。なんだか、まるで日本が抱えて直面している問題と似ていますね。アメリカの平均初婚年齢が年々上がって来ているとはいえ、『結婚をする年齢』は、やはり30代前後です。
アメリカの婚活にまつわる数字
では、アメリカにおける婚活世代の年齢の内訳はどうでしょうか?2013年のMatch.comの調査結果では、同社のサイトに登録している会員の年齢の内訳は、18から29歳が全体の25%、30から49歳が48.5%、50歳以上が26.5%でした(※3)。さらに、2015年の調査では、25から49歳の会員数が最も多いと分かりました(※4)。婚活している50歳以上の会員が、26.5%もいるなんて、さすがアメリカですね!
ただし、恋愛と結婚は別の場合も…
あるアメリカのデーティングサイトの調査では、20から29歳の男性が年上の女性と付き合うことに関して問題がないという結果が出ています(※5)。平均5.7歳年上まで許容範囲ということは、25.7から34.7歳までの女性が恋愛・結婚対象となるのです。朗報に思えるこのデータ。しかし、この数字には重大な事実が隠れているのを見落としてはいけません。それは、女性の妊娠・出産が可能な年齢です。日本同様、アメリカでも35歳以上が高齢出産とされています。アメリカでは州によっては妊娠・出産・不妊治療事情が非常に多様化しており、選択肢が多いのも事実です。いろいろな価値観がありますし、年齢だけを結婚の判断基準にも出来ませんから、35歳以上の女性だからといって恋愛・結婚対象外にする男性ばかりではありません。しかし、アメリカでも自分と配偶者の遺伝子を持った子供が欲しいと願う男性は、やはり35歳までの女性を結婚相手に選ぶ傾向があることを知っておく必要はあります。また、アラフォー以上で離婚歴がある男性は、『前妻との結婚生活を思い出させる』という理由で、アラフォーや同世代の女性より、若い女性を希望するというデータも。
では、35歳以上の人はどうすればいい?
35歳以上の人にも、もちろん恋愛・結婚のチャンスはあります。なんといっても、35歳以上でパートナーを探している人がたくさんいるアメリカです。30代後半でも、40代以上の男性には余裕で恋愛・結婚圏内の年齢です(もちろん、それよりずっと若い男性に出会えることも否定出来ません)。ただし、子供を望む人は貴重な時間を無駄にしないように、将来子供を持つ意思があるかを、交際が早い段階で相手と確認しておく方が賢明でしょう。男性も35歳以上ともなると、再婚を目指す人も出て来ます。その中には、前妻との間に子供がいる男性もいます。すでに子供がいる男性は、子供を持つことに焦りがなかったり、もう子供は要らないと思う人もいます。子供を望まない男性と恋愛した場合、それが結婚する条件になります。彼と結ばれるには、『子供を諦める』ことになり、あなたが子供を持つことがどうしても譲れない場合は、『彼と結ばれることを諦める』という苦渋の選択を迫られることになりかねません。また、子供がいる男性との恋愛や結婚には、彼の子供が生活の一部になっていることが多いので、その点も覚悟が必要です。アメリカでは共同親権を持つ人が多く、子供は決まった曜日や週末に父親に会うことになっています。それは、あなたが彼と恋愛・結婚すると、彼の子供がもれなく付いてくることを意味します。若くても子供がいる人もいますので、一概に年齢では判断出来ません。しかし、特にアラフォーで婚活中の方は相手の子供の有無、相手が子供を持つ意思があるかの確認は必須です。
まとめ
欧米と一口に言っても、国によって考え方は異なります。しかし、アメリカに関して言えば、『恋愛に相手の年齢は関係するか?』の答えは、イエスでありノーでもあります。相手が何を求めているか(子供を希望するか)によるところが大きいかも知れません。アラフォーの人が、何がなんでも20代男性を希望!となると難しくなります。しかし、子供のことも含めて適切な『落としどころ』を見付けると、素敵なパートナーに出会える確率が上がるでしょう。いずれにせよ、婚活をするのであれば、なるべく若いうちにこしたことはなさそうです。
参考文献:
※1 日本の婚姻率・離婚率・初婚年齢の推移をグラフ化してみる(2016年)(最新)
http://www.garbagenews.net/archives/2013777.html
※2 Millennials Are Marrying Later Than Every Other Generation
http://www.huffingtonpost.com/2014/03/11/millennials-marriage-age_n_4944558.html
※3、※4?? Match.com Information, Statistics, Facts and History
http://www.datingsitesreviews.com/staticpages/index.php?page=Match-com-Statistics-Facts-History
※5 Young Men Really Do Want Older Women, New Study Says
http://www.huffingtonpost.com/2015/02/06/young-men-want-older-women_n_6556744.html
photo by: https://www.pexels.com/
written by: Olivia