数年前、ある外国人男性が『日本人女性をナンパするセミナー』を開催し、「ピカチュウと言うだけで、日本人女性をナンパするのはチョロイ!楽勝!!」と豪語したことがネットで取り上げられました。結果、大炎上し、この男性の入国拒否を求めて3万人もの著署名が集まる騒動にまで発展したことは、みなさんの記憶にもまだ新しいはず。海外では、日本人女性は本当に軽いと思われているのでしょうか?
80年代に流行った言葉『イエローキャブ』
『イエローキャブ』とは、外国人男性に簡単に身体を許す日本人女性の蔑称です。アジア人としての呼び方イエローと、アメリカでよく見掛ける黄色いタクシー(キャブ)を掛けた単語で、誰でも簡単に乗せるという下ネタから派生しているのだとか。実はこの言葉、80年代に某作家によって紹介されたことでメディアに取り上げられ、世に知られることとなりました。当時は、いかにも『アメリカに行けば、巷では常識』と言わんばかりの騒がれ方でした。しかし、実際、実際にアメリカ人男性が『イエローキャブ』という言葉を使っていた(いる)のかというと、答えはNOでした。アメリカ人の友人に訊いてみても、全員首を傾げていました。著者は在米歴12年になりますが、この言葉を使っているアメリカ人には出会ったことがありません。『イエローキャブ』の蔑称は、未だ一部ネットで日本人に根強く言われているだけで、ほとんど都市伝説と思っていいでしょう。
軽い女性は、どこにでもいる
では、日本人女性は全員身持ちが固いのかと訊かれると、当然のことながら、答えはNOです。それに、日本人男性に対してもワンナイト・スタンドを楽しんだり…と軽い日本人女性は一定数いるはずです。しかし、軽い女性は日本人女性だけに限った話ではなく、人種・国籍問わずどこにでもいます。アメリカにもいます。著者は以前アメリカ人の元同僚が、「今夜は男性に飢えた気分なので、クラブに逆ナンしに行く!」とあっけらかんと宣言しているのを聞いて驚いたことがあります。日本の国費留学生としてヨーロッパの某国に数年滞在していた知人男性のTは、「一部の人間が日本人女性を悪く言う人もいるけど、僕がいた国の女性にも軽い人はいっぱいいた。」と語っていました。
一部の日本人女性が一部の外国人男性を調子付かせる
しかし、『日本人女性は軽い』と思わせる行動を取っている日本人女性も、やはり存在することは確かなようです。元同僚のSは、社内で密かに『日系アメリカ人専門』と呼ばれていました。社内の日系アメリカ人ばかりを渡り歩いていたからです。ひどいときには、一時期二股状態。本人は内密にやっているつもりでしたが、実際は周りにバレバレでした。同僚たちが大人の対応をしていたので、面と向かって本人に何も言わなかっただけで、内心「よくやるよ…」と思われていたのは言うまでもありません。Sと付き合ったアメリカ人男性たちは、自分はモテると勘違すると同時に、「日本人女性と付き合うのは簡単」と思っていたようです。
次に 、知人のCとK。同僚のアメリカ人Jを調子に乗らせてしまった張本人たちです。体の関係にはならなかったものの、Jをその気にさせたりして弄んでいました。Jには日本人の彼女がいました。しかし、CやKに必要以上にチヤホヤされるために「自分はイケてる」と勘違いし、彼女をないがしろにしていました。そして、その彼女は演歌を地で行く女性のように、何故か不遇な状況に耐え忍んでいました。どんなにJが魅力的な男性かとお思いでしょう?ところが、ごくごく普通の男性なのです。どう贔屓目に見ても、ハリウッド俳優からもモデルからも程遠いのでした。しかし、『英語を話すアメリカ人』という要素だけで、CやKはJを必要以上にもてはやしていたようです(二人とも、「アメリカにいるからには、現地の友達が欲しい!」と躍起になっていたのが一因です)。元々素質があったのでしょうが、その後Jは彼女とは別れて、とんでもない遊び人になってしまいました。
日本人男性からの偏見もある
アメリカで暮らして気付いたことは、一部の日本人男性が日本人女性を悪く言うことがある点です。時には、言いがかりや偏見、嫉妬だったりします。パートナーが日本人(アジア人)でないと知った途端に、偏見に満ちた発言を本人に向かって平気でする男性が残念ながらいるのは確かです。不思議なことに、日本人男性のパートナーが日本人(アジア人)ではないと知った日本人女性が、彼らに偏見に満ちた発言(例:白人が好きなのね!など)をしているのは未だ耳にしたことはありません。ネットでも、国際結婚している日本人女性に対してすぐ「海外ではイエローキャブと言われている」と鼻息を荒くして書き込む人がいますが、本当に海外の事情を知った上で発言しているのか?と疑わしくなります。確かに、軽い日本人女性はいます。悪いことの方が目に付きやすいし、話題性もあります。しかし、一部の日本人女性の素行を一般化して、『外国人男性と一緒にいる日本人女性は軽い』とレッテルを貼るのは偏った考え以外の何物でもありません。
最後に
まず断言出来るのは、ネットの情報を鵜呑みにするのは危険だということ。一部の性に奔放な日本人女性だけに焦点を当てて、『日本人女性は軽い』と総括されるのは、真面目に国際恋愛や国際結婚をしている女性にとっては非常に迷惑でしょう。その点では、私たち一人一人の言動が外国人に誤った印象を与える可能性があるということも踏まえながら、国際人として自分の行いに責任を持つ必要がありますね。特に、外国人男性に免疫がない女性は、相手のペースに巻き込まれないよう慎重になる方がいいでしょう。外国人だからと遠慮せずに、嫌なことには毅然とした態度でNOと言ってください。また、身体で外国人男性を繋ぎ止められる・外国人を彼氏に出来ると信じている方には、以前ご紹介した記事『私って「彼女」?「付き合って下さい」と告白しない外国人たち』を読んで、今後の対策を練ることをお勧めします。
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written by: Olivia